神奈川〜高知 激走1,100km!

「第一回」


 

山梨県大月市猿橋。もと甲州街道の宿駅。この地の桂川に架かる
木橋を猿橋といい、日本三奇橋の一つ。橋脚を用いず、棟と桁を
何段にも重ねて、両岸の崖からせり出してかけ渡しているのが特徴。

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〈 猿橋怪談 〉

 昔、山梨県大月地方にさしかかったある旅人が地元の人からある話を聞いた。

「この土地には猿橋という大きな橋がある。そして、猿橋の近くに大橋という

橋があるが、猿橋では大橋の話を絶対にしてはいけない。また、大橋でも猿橋

の話をしてはいけない」

というものであった。              

 旅人が猿橋に着いた際、ついうっかり大橋の話をしてしまった。さほど気に

はしなかった旅人であったが、猿橋を渡っていると、橋の向こうに女が立っていた。

その女は旅人に言った。

「この手紙を大橋で待っている知り合いに渡してほしい」と。

それを承諾した旅人は大橋に向かった。その途中、旅人は手紙の中身がどうしても

気になり、なにげなく手紙を開いてみた。なんとその手紙には

「この男を殺せ」

と記してあった。たまげた旅人はこの手紙を大急ぎで書き直した。

「この男を殺すべからず」

こうして書き直した手紙を持った旅人が大橋にたどり着くと、橋のたもとに

鬼の形相をした女が立っていた。そして恐る恐る手紙を女に渡した。

女は手紙を読むや鬼の形相がみるみる穏やかな顔になり、そしてどこえともなく

消えていった・・・。

 

神奈川の会社を辞め、高知に帰ることになった私は愛車の50ccバイク
HONDA-Dioで高知へ向け帰るべく、エンジンをかけた。

第一回 山梨県大月市で猿橋発見!


 引越しの後始末から高知へ出発する時間が遅れに遅れ、神奈川県座間市を

出発したのは19:30過ぎでした。2日後、北軽井沢で大道芸のイベントに

出演することになっていたのでこの日はどうしても甲府市あたりまで行かない

といけませんでした。

 今回の旅の目的は数年前中古で購入した50ccバイク、HONDA-Dio

で高知まで旅をしながら帰ること。途中、色んな土地に寄り、色んなものを

食べながら帰ること。

しかし、初日から真っ暗な夜道をひた走るとは・・・。しかも、アクセルを

45km/h以上ふかすとエンジン音が異様に高くなる。そんなわけでトロトロ

高知まで走る旅は始まったのです。

 4時間近く走った時、山梨県大月市にさしかかりました。前方に、大きく

「猿橋→」の看板が。「あ、猿橋!」ほぼ反射的にハンドルを右に切っていました。

昔読んだ怪談話に出てきた猿橋。この機会にぜひ見てみようと、猿橋に向かった

のです。

 すでに時間は夜の11時ということもあり、しんと静まり返った辺りは街灯と

自動販売機の明かりだけ。そして暗闇に薄暗く照らし出された猿橋。

 異様な光景という言葉がそのまま当てはまりそうな、そんな景色に思わず

後ずさりしてしまう。周りには誰もいない・・・。

 しばらくたたずんだあと、この猿橋を渡ってみることにしました。ゆっくり、

ゆっくり足を踏み出す。その度に自分のすぐ後ろを誰かが付いてきているんじゃ

ないかという衝動にかられる。意外と短い橋を渡りきった後、振り向いてみる。

当然の事だが誰もいない。ポケットに手をやると、写るんですが入っていた。

ま、記念だし・・・。一枚パチリと写真を撮りました。

 そのあとすぐ、甲府市に向け出発したのですが、そのとき撮った写真に変な

ものが写っていると気づいたのは旅が終わってからの事でした・・・。

問題の写真・・・



 
 
 

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