神奈川〜高知 激走1,100km!
最終回
3日間お世話になった親戚の家に別れを告げ、高知に向かうべく、最後の 道のりの制覇に向け、出発することにした。 実は昨日出発を予定していたが、おばさんの 「まぁ、もう一日ゆっくりしていきなさい」 の声に甘えていた。 さて、最終日の予定はまず、和歌山まで南下し、フェリーで徳島に渡り、 実家である高知を目指す。本当は瀬戸大橋を渡りたかったがなにせ、 50ccバイクでは通れない。フェリーで四国に渡るしかないのだ。 出発して2時間後、フェリー乗り場に到着。 おー、久々のフェリー。子供の頃、親父の出張によく付いていってフェリーに 乗ったもんだ。 手続きを済ませ、原付で乗り入れる。バイクは倒れないようにロープで しっかり固定され、ワシは客室に向かう事にした。 フェリーのこの「ぐぅうぉん、ぐぅうぉん、ぐぅうぉん、・・・」というエンジン音と 甲板の強い風がたまらなく好きでフェリーに乗った後はずっと外で波を見ていた。 ![]() フェリーって何回乗ってもいいもんです。フェリー大好き。 ![]() お昼過ぎ、徳島に到着。が、なんと雨が降っている。最終日に雨とは・・・。 しかし一時間ほどで雨はやみ、ついに阿南市から195号線に入り夜須町を 目指す。 室戸岬廻りの道もあるが、それだと遠回りだし、知っている道を通ったのでは 今回の旅の意味がない。 195号線に入ってからはガソリンスタンドも何件あるかわからない。 直前に満タンにしていざ、突入! 山道をひたすら西走! 大きな川やくねくね道を走り高知市まで○○kmの看板を数えながら 走る。高知で育ちながら全く知らない道を走るということがどことなく新鮮で 感動さえ覚える。途中一休みしてコンビニで買ったパンを頬張る。 ほどなくして小さなガソリンスタンドを発見。給油していくか。 するとガソリンスタンドのおじさんが「座間ってどこ?」と聞くので神奈川から 高知に帰るところだと言うと 「おーい!すごいぞ、このニイチャン!原付で神奈川から来たんだと!」 と近所の人たちを集めだした。そ、そんな大げさな・・・。 みなさんに挨拶して再出発。 ![]() 途中こんな橋を見つけました。ちょっと渡ってみました。 ![]() しばらく走ると工事中の看板があり簡易信号が赤く点灯していて 足を止められてしまった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 うーん、なかなか信号が変わらない。遅いなぁこの信号・・・と思ってると、突然、 『ドーーーーーーーーーーン!!!!』 という爆音。ななな、何?よく見ると看板にトンネル工事、発破作業中と 書いてある。なんと、工事中と思ってたのはダイナマイト作業中だったのだ。 いやはや、驚いた。 その後は順調に走りひたすら実家を目指す。 と、ここでどこから実家である夜須町に入るか2つの選択をせねばならない。 このまま幹線道路を土佐山田町まで抜けて国道を東に引き返す道と、 もう一つは土佐山田まで行かずに大栃から南下し、直接夜須町の最北端から 夜須入りする道。当然後者の道は車一台通れるかどうかの獣道。 でも当然、後者でしょう。最後まで知らない道を走破したいじゃない? 北から夜須町に入るなんて暴挙すら誰一人しでかすヤツなんていないが・・・。 ![]() しかし、心配事が一つ。詳細な地図を持たないまま、夜須に入る獣道を どうやって探すか?看板が無かったらアウトだ。だいたい、195号線から 夜須町に入る人なんていやしないのだから。 だいたいの見当をつけながら慎重に問題の道を探す・・・ あ、あった!小さく「←夜須」の看板が!! 行けー!目指せ!!夜須! が、もう時刻は17時を回っている。日が暮れる前に夜須に入らないと 危険かも。何の手入れもされていないような石ころと木の枝が散乱する 一本道を南下する。もうすぐゴールだ!がんばれ! と、突然、Y字路に差しかかる。え???看板無いよ?どっち? 夜須はどっちだよオイ!ヨシ!右!右だ!直感を信じ、右に折れる。 しばらく走ると「→羽尾」の看板が。やった!夜須に入った!! さっきの道は右で合ってたんだ! が、あたりはすっかり薄暗くなってしまった。虫除けに掛けてたサングラス越し では道路が良く見えない。サングラスをかけたり外したりしながらゆっくり 走る。そしてついに羽尾に到着!実家まではあと少し。 すると、羽尾から夜須町を一望できる道に差しかかる。 バイクを止めしばらくその風景を見つめる。来たよ。帰ってきたよ、夜須へ・・・。 ただいまー!夜須町ー!帰ってきたぞー! そして国光、上夜須を抜け、夜須の南北の幹線道路に入った。 知らず知らす、アクセル全開!エンジンをフル回転させ、最高スピードで 我が町を縦断した。 そして・・・ついに・・・到着。実家に到着した。走行距離およそ1,100km。 長い長い道のりだった。楽しかった。全然苦しくなかった。大変じゃなかった。 色々あったけどバイクも頑張ってくれた。色んな人と出会い、サヨナラした旅。 神奈川〜高知 激走1,100kmの旅はこれにて幕を閉じたのでした。 <おしまい> |