フラッシュスプレッド現象の
恐怖



 
 

冬、外での練習には欠かせない(?)トーチ(火のついた松明)の練習。
寒い冬にはあったかトーチ。
でもちょっと待って!
知らずに厚着になるこの季節、瞬間的に衣類が燃え上がる
「フラッシュスプレッド現象」
について知っておこう!
いつも何気に使ってしまう火。実は非常に危険なのものだ。

危険な技を見世物にする大道芸。
当然火を使った芸もたくさんある。
トーチ(たいまつ)、ファイヤーデビルスティック、
ファイヤーディアボロ、火吹き。
練習のたびに段々火に対し鈍感になってくる危機感。
さて、今回紹介するフラッシュスプレッド現象。
そのとき身に付ける衣服によって炎は凶暴な牙をむく!


 
「フラッシュスプレッド現象」

 スラッシュスプレッド現象とは綿、レーヨン等の易燃性セルロース系繊維が多く混用された衣類で、
かつ生地の表面の毛羽立ちの多いものに対しわずかな火を近づけると、炎が一瞬のうちに服の表面
において連鎖燃焼をおこすものである。
 通常の繊維製品は素材の種類によって程度の差はあるが、炎に接すると燃えるものだ。
消費者センター被害注意情報によると、
調理中のガスコンロの火が衣服の袖口に着火し、一瞬の内に表面に燃え広がり、髪の毛を焦がした
等のフラッシュスプレッド現象による着衣着火事故例がある。わずかな炎の着火で毛羽だけでなく
地組織まで燃えて危険な状態を招く事等も考えられるのだ。
 フラッシュスプレッドしやすい衣料品の素材や形状としては、綿、レーヨン等の易燃性セルロース系
繊維が多く混用され、かつ生地の表面の毛羽立ちの多いものが考えられるが、 このようなわずかな
炎の着火で短時間に衣服の表面を火が走る現象の懸念されるような衣料品には、安全性上の配慮と
して警告表示を付けることが必要であると考えられるが、 PL法の施行頃から
「毛羽が燃えやすいので、火に近づけないで下さい」等と言ったフラッシュスプレッドに関する警告表示の
ついた衣料品が出回っている。
 しかし、フラッシュスプレッドに関する警告表示のない銘柄の中に表面フラッシュするものがある他、
フラッシュスプレッドに関する警告表示があっても、フラッシュスプレッドしないものもある。
衣類の警告表示をうのみにせず、衣類の特性を理解し、各自が気をつけるようにしよう。
 フラッシュスプレッドが最も起きやすい衣類は以下の条件である。

(1)綿やレーヨン等の易燃性のセルロース系繊維素材
(2)ネル地等のように生地の表面に細い繊維が起毛されていて、毛羽の間隔が
  ある程度あり空気を含みやすい形状
(3)生地の表面が静電気等で毛羽立っている
(4)乾燥している

 また、購入時は毛羽立っていない衣類でも着用、洗濯するうちに毛羽立ってきてしまう場合も
あるので注意しよう。
 フラッシュスプレッド現象は衣類の表面が瞬間的に燃焼するものなので着用した人間が炎に
包まれ、重傷を負うということはないが、もし、曲芸の演技中に、しかも両手にたいまつを持った状態で
フラッシュスプレッド現象に襲われた場合、本人はパニックに陥ってしまい、周りの観客を危険に
さらしてしまう事態も十分考えられる。
 今一度、火の恐怖を再認識し、安全な演技を心がけよう。


 
 

フラッシュスプレッド現象[10フレーム/秒]
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